もち

さよなら3月またきて4月

雨の打つ音が好き

堂本剛平安神宮奉納演奏二〇二一

9/3.4と二日続けて堂本剛平安神宮奉納演奏2021を浴びてきました

チケットを受け取り中に入った途端少し宇宙的なサウンドの混ざった和風の会場内BGMが耳に入り,目の前にはメカニカルなごついスピーカーや照明機材,それとは対照的に奥にそびえ立つ平安神宮大極殿,上に広がる黄昏時の空.端的にいうとすぐ空気に呑まれました.

 

入場が一番早い組だったので夕焼けから宵にかけて刻一刻と変わる空模様と大極殿を見続けていました.間に2回ライトアップされた噴水がピアノの音とともに吹き上がっていてこの時点で極上な体験をしているな,と思いました.

 

先に剛さんが最後にお話していたことを書いておきます.ニュアンスです,あくまでニュアンス.また初日と二日目の話が混ざっているところが多々あると思います.

 

お話

コロナの収束,そして皆さんに一刻も早く平和が訪れるようにという思いを込めて奉納演奏を致しました.平和な未来に辿り着けるように,どう言われようと真っ直ぐその思いを込めて奉納演奏をこの3日間させて頂こうと思っています.

大変な時代ですけれど,どうか時代のせいにしないであなたと私の力を一つにして乗り越えていきましょう.神様にもこう言った想いを聞いていただこうと思ったし神様のお力もお借りしながら皆さんのお力と一緒に一つにして未来へと音を飛ばそうと演奏しました.

 

去年はこの平安神宮さん全体で奉納演奏をさせていただきました.とても不思議な体験だったということを覚えています.その頃はまだこのような状況が続いているとは思ってはいなかったです.

僕らに足りないのはなんなのか,平和な未来を1日でも早く叶えるためのルールとマナーなんじゃないかなと思っています.とてもシンプルなことですけれどでも人は今このシンプルなことに気づく余裕すらないのかなと思います.早くそこに気づくように願っています.

 

どんな未来に行くかを考えましょう.船を漕ぐときにみんなバラバラのオールを漕いできたら行きたいところに進めないですよね.
めんどくさいな.と思って1人がマナーを破るとまた振り出しに戻ってしまうんです.皆さんはこうならないでくださいね.

その場所にはその場所のルールとマナーがあってそれを守ることが大事なんです.自分の都合ではない.自分の家でもないのに自分はこうしたい,自分がこう思ってる,ってばかりだと一向に終わらないんです.だから自分はこうしたいんだけどダメですか…?と尋ねる意味が分からないです.

飲食店でもどこにおいても自分の家とは違ってお邪魔している身なのでその先に色々な人がいて,その人たちにも色々な人生と生活があるということを想像するということをすればいい.それを自然と行うことができれば人を想いルールとマナーを共有するということがはじまるはずです.

これは私とあなたの問題なんです,私だけとかあなただけとかではなくて,あなたと私が一緒にやらないといけないのに,なぜこういうことをなぜ実行できないのか,僕はずっとはてなです.

 

そしてそのマナーとルールでも,ここへ行ったらここのマナーやルール.それぞれ感染対策しています.と言っているのに全部違うんです.少しずつこうやってルールが違うと終わらないんです.足並みを揃える必要があるんです.

 

皆さんこうやってマスクにフェイスシールドをして下さっていて,静かにしていてくれています.世間にはライブは騒いでなんぼのものでしょうという人もいるかもしれません.

今は今まで出来ていて当たり前だと思ったことが出来ない時代なんです.自分の大好きな世界,大好きな場所,大好きなものを守るのはあなたなんです.……そして私です.

 

イベントを行うにも色々なことをみんなで毎日必死に考えています.こうしてみなさんがマナーを守ってこの場を過ごしてくださることで次につながります.本当に世の中がこうなればいいのになということを皆さん体現してくれていると思っています.

この姿勢が心が世の中にあればもっともっと早くコロナも終わることができるだろうになと思います.

皆さんがこうやって想いを聞いて頂いていることに感謝しています.皆さんがどう思うかは自由ですし強要はしません,そこはみなさんにお任せします.

 

皆さん自分の生活がありますし,そこは他人と比べてはダメですよ.例えば「私はこれができないけれど剛くんならできるよね」とか,そうではない.

自分の中で出来ることできないことを比較して,他人と比べない.そうすれば「いいよね、〜ができて」とかは思わないはずですよ.

これは何度も歌にも音にもして言っていますが,人生は一度きりなんです.人はいずれ死ぬんです.その一度きりの人生を他人と争うことに使うのはやめましょう.

比べるのではない,共有しあって分かち合うんです.足りないところを補って助け合って生きていくんです.

このコロナの時代で未だにこれを選択しないというのは本当どうかしていると思います.

 

少しずつでいいんです,いきなり自分を変えるのは難しい.でも力強く実行していかないとかわれません.

大変な時代だけれどみんな大変ですから,どうか1人にならずに,孤独にならずに.

この時代は自分の近くの人と一つになるという喜びに触れ合う時代だとも思いますので.

 

舞浜の時のMCも少し載せておきます.

ここに来るという選択をしたひと、来ないという選択をした人、きたくても来れなかった人、いろんな人がいると思うけれど比べて答えを出すようなしょうもない人生をしちゃだめですよ。そのひとはそれを選んだということを尊重すればいいだけですから。他の人が何を選択したかを気にしなくていい。

自分本位で選択しなきゃいいんです、相手のことを思いやりながら選択するんです。もちろん自分のことも思わなきゃいけないし難しいバランスかもしれないけれど今はそれができないと。そういう時代なので。でないと終わらないですよ。

相手を責めるのではなくて相手を思いやりながら選択できる時代になったよね、と言えるようにならないとだめです。

 

セットリスト

赤い鼓動のHeart

HYBRID FUNK+NARALIEN

愛を生きて(ラストのみ)

愛のひと

愛のない 愛もない いまが嫌い(Bメロまで)

新曲

Everybody say love(スローアレンジ)

Believe in intuition…(舞浜と構成は同じ)

FUNK SESSION

 

それでは一つずつ

9/5の公演にて剛さんが「どんな風景が広がってどんな音が鳴っていたのか,今日来られなかった人にも教えてあげてください」と言っていたらしいのでできるだけ覚えてる限りつらつらと書き残します.

赤い鼓動のHeart

照明が落ちピアノの音だけがする中オーカーの照明の中,剛さんが「視線を 落として歩く 人々が可笑しくみえる」と歌うように話していた.実際は歌っているんですが.

このような時代になる前に作られた曲なのにすごく不思議と今剛さんが言いたいことがそのまま歌詞になっている曲だと思いました.それほど前から剛さんが言い続けてきたことが今この時代になって求められているのかなあ.

時代の所為だと逃げる傍観者を睨んでる… 

僕らが闘い愛を逸らさない 其れをいま もう一度生きれば

愛のひと 愛のきょう 愛のあしたが きのうを愛にする

収束しますようにと神さまに頼むのではなくて収束させるのは私たちです,と剛さんが合同参拝の時に言っていた.周りの人に対して愛を持って接する,その選択を尊重する,そうやって時代や他人任せではなくて一人一人自分を正して平和な未来へと進みたい,そういう意味にこの歌詞が聞こえてきた.

音数が少ないからこそ言葉一つ一つがスッと頭の中に入ってきてとても厳かなメッセージ性のある始まりでした.

HYBRID FUNK+NARALIEN

また剛さんが最高に頭の中心から痺れるマッシュアップ持ってきた!!

赤い鼓動のHeart終わり,スティーブさんがおどろおどろしい音をかき鳴らし,ルイスさんはじめとしたホーン隊からも無秩序に聞こえる様になってる音が鳴り始め,そしてLynさんがハイトーンを空にぶち放ち,ドラムがインしてHYBRID FUNKがはじまる瞬間,ずっと鳥肌が立っていた.こんなの雨を呼ぶイントロだよ…と思っていたら本当にここから雨が降り始めてたので音と天気が呼応している様子が感じ取れました.

HYBRID FUNKになった途端今まで見えていなかった大極殿がばっと紫にライトアップされ,そしてドラムのキックと呼応するように白虎楼,蒼龍楼も一拍ずつ紫に染め上げられていた.

ラップ部分に関してはすみません…覚えていません…わからないです…

そのままHYBRID FUNKの音に合わせてNARALIEN冒頭のフレーズがはじまるのは最高に痺れた.

最後またHYBRID FUNKに戻るんですが「HYBRID FUNK NARALIEN FUNKY…grooving grooving」と続いていてこのアレンジを聞いた時はもう血が沸騰しそうでした.

愛を生きて

HYBRID FUNKからそのままラストの「愛している 僕が君を 愛している 君が僕を」歌っていました.サブリミナル愛を生きてだったんですけれどHYBRID FUNKから地続きだったのでCDの少しキラキラと疾走感のあるサウンドよりも,覚悟を決めた様な力強い音がしていました.ラスト歌声だけの静寂の一瞬の後,エレキがガンガンかき鳴らされ勃に入っていきます.

間奏明けからキメとかフレーズ間に00年代前半によくある「デンッデンッデンッ」みたいな切り裂く音が入っていて,舞浜の攻撃力のそのさらに上をいっていました.

なによりもこれは照明がすごくて…今までは高い高い平安さんの空を眺めていたんですが,ここだけは頭上にピンクのレーザーが敷き詰められていて天井が低いというか圧迫感があったんです.

自分を生きようよ なぜそうぼやかすの?

合わせすぎて消えて逝かないで

自分で生まれ 自分を生きない 生きれないって?

この惑星はサイコパス

赤い空からの圧迫は抑圧を,そしてこの激しい音は激情を表しているように感じました.

愛のひと

一転静かなドラムのキックから入ってました.音源を初めて聞いた時もそうだったんですけれど,サビの揺らぐ事なく真っ直ぐと伸びるロングトーンに対して,その歌声の強さや私はその残響音が好きだとか,前剛さんが伸ばしてる音が分からなくなってしまった状態だと言っていた事とか,バラードは歌うのが難しい状態であるとか,色々な想いが込み上げてきてしまって…

愛のひと 愛のひとを 愛しているって 歌い続けて

この部分に合わせて一筋の白い光が剛さんの背後から天に真っ直ぐ伸びていきました.

 

ラスサビからはシャボン玉も出てきて,その薄紫に染まるシャボン玉が儚い命の様でもあるし溢れてしまった涙の様にも見えました

愛のない 愛もない いまが嫌い

愛のひとから音が続いてすごくスローで音数絞ったアレンジで,多分テンポは1/2くらいでした.

その質問で世の中がダメになってしまう

きみとの恋 きみとの愛を ダメにしてしまう

きっと ずっと 美しいはずだった世界

きっと もっと 素敵だったはずの世界

これは「自分はこうしたいんだけどダメですか…?」というのはだめ,自分本位ではなくてその場でのルールがあるよ,という事なのかもしれない

もしかしたら前半のAメロは歌っていないかもしれないです,Bメロを歌っていたことはすごく覚えている.スタッカート気味な音源と違って一つ一つ呟くように歌っていたのを覚えています.

この時までシャボン玉が残っていて青紫の中虹色に煌めく光が共存していてとても幻想的な空間でした.

新曲(Don't be afraid of love)

すごくパワフルでバイタリティに溢れる壮大な曲でした.

Aメロが結構低くて低くて3連符を歌う時の剛さんの腕がすごくかっこよかった.自分のメモに3連符が抱かれてたって書いてあった,なんだそれ

歌詞の聞き取り能力が著しく低いのでアレなんですが,サビには「Don't be afraid of love 」というフレーズが繰り返し入っていました.毎回最後のloveのところで噴水がザッと止まって高い位置から水が落ちる音がするんですが,その自由落下の音も楽器だった.

同行者曰くバッキングにピアノが上から下までキラキラと駆け落ちるフレーズがあって,それと水の動きが相まってとても美しかったらしい.

 

落ちサビで「二つの虹が 空へと咲いた」に聞こえる部分があって,この時の噴水が大極殿が見えなくなる一番の高さで虹色に吹き上がり,ウォータースクリーンの様になっていて本当に綺麗でした.手前の噴水も虹のような色と形にライトアップされていました.ダブルレインボーで舞浜公演の初日を思い出したりもした.

 

長尺のアウトロは剛さんとコーラス隊の方々で凄くロングトーンをしていて,大極殿にはプロジェクションマッピングが施されていました.一本の木が大きくなって森林になってゆく様なのかな.個人的にはGO TO FUNKのジャケ写のテーマにもなってそうなクラウンシャイネスを思わせるようなカットがあった気がするので,「共生」がテーマの一つなのかなと感じました.また生命が生まれて育つには1人ではない,他の命と助け合ってみんなで大きく一つになるんだ.という映像でもあったかと思います.

何よりもこの部分のロングトーンが凄すぎて,一つ一つの伸ばしに魂が込められていてゆっくりと天にこだまと共に昇っていったのではないかと思います.

剛さんの左手が凄く雄弁でした.

Everybody say love

少しピンクがかったライトの中ずっとスローな少しボサノバチック?な可愛いアレンジでした.なんかペルソナ3の平和な時に流れる曲みたい.メロディラインをエレキがずっとなぞっていました.テンポは落としていましたがフル尺でした.音の作りはLovey-Doveyに少し似ていたかな…?

Everybody say love 君を責める 僕は終わりさ

Everybody say love 僕を責める 君は終わりさ

 

もしも世界で気づくときが来るなら…と

たったこのいまも人類の愚かさに崩れてく

他人を責めることにかまけていないで,他人を思いやり自分の選択をする.そうやってみんなで足並みを揃えないとこの時は乗り越えられないのだから,と言っているのかなと思いました

Believe in intuition…

舞浜と構成は同じでした,多分去年の平安さんからずっとこのアレンジなのだと思う.

この曲が流れる途端凄く背筋が伸びるんですがなんででしょうね…

去年の平安さんでも見れた水の上を炎がつたっていく演出もあり.音的にも雰囲気的にも凄くフィナーレの荘厳さがありました.

 

ピアノソロ後にフレーズに対して剛さんがピアノで合いの手を入れてくんですけれど,ずっと右手で攻めていたところを一つ左手を使っていて,何故だか分からないけれどそのセンスが好きなんだ〜一生ついてく〜と思った.

 

FUNK SESSION

エレキに持ち替えてソロをガーッと弾いた後に腕を掲げたら,松明がボッと灯るの

カッコ良すぎるなにあれ私もやりたいこんなのたぎらない人おらんでしょ…

メインフレーズはインスタのIGTVにのってる一つ目のやつだと思います.

セクションごとにソロを回していってたんですけれど,個人的には十川さんGakushiさんパートが若干のクラシックみがあってクリスタルの様な静かな煌めきがあって好きです.あとホーンセクションのまとまりがすごい,ルイスさんのラッパめっちゃ大好きなのでガンガントップの音出ててうめえ…うめえ…って思ってた,暖かい優しい黄色な音がするラッパ大好きです.

最後は剛さんにソロが戻るんですけどやっぱりあったリフター!!剛さんがソロしている時はエレキの上にマゼンダのレーザーが反射して走っていて,キラキラしていて大好きです.

 

リフターの頂上で終わったのでどうやって降りるんだろう…?と思ってたら暗闇の中そっと降りてました.

 

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すごかったです,平安神宮奉納演奏.

普段から私はコンサートと言っても「みんなで楽しもうぜ〜!」タイプよりかは世界観を目の前に提示されて呑まれるエンターテイメントの方が好きなのですけれど,奉納演奏に関してはエンターテイメントの言葉にくくって良いものか…と思います.だからずっと平安さんだけは特別と思っているんですけれど

これは去年の奉納演奏が無観客で,より人に見せるためではなくて神にだけ捧げられる音楽だったのもあるのかもしれない.

エンターテイメントを味わうためにチケットを支払い行くというよりは,なんかこう拝観料を払う感覚なんですよね.

なので9/5で剛さんが自分のこういったステージをエンターテイメントと言い切ったことに関しては,剛さんもこうやって自分の作品をエンタメとして捉えられてもいいと思うんだ,という意味もあって驚きましたが(うまく言葉にできてないですが)

 

屋外だからこその天気や風,虫の音を感じられてよかったです.バラードの歌い終わりでざあっと風が吹いたり,曲間の無音の中鈴虫が鳴いていたり.自然の音と電子的だけれどその場から生まれる生気ほとばしるファンクとの融合,そして語りかけるように色々な気持ちを込めて歌うバラード.歌がうめえ………

 

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剛さんは舞浜でも他人と比べてはいけないよ,という趣旨のことを言っていました.閉演後のクーさんの語りでも「こんな時代で人と比べていたら未来はない」とありました.

舞浜公演からこの平安神宮が始まるまでに,音楽業界ではさまざまな問題が起きてしまったのは事実だと思います.経済的に危機に晒されているのはどの業界でも同じですが,そこから抜け出したいあまりに虚偽報告をしたり酒類販売したり…演者側が煽ったり…他のもののせいにしたり….そう思うとこちら側はなんて平和でルールが遵守された世界なのだろうと思ってしまいますが,世間から見たらあれもどれも全部音楽業界で一括り.

だからこそこれからの活動のためにも今一度このままルールやマナーを守り続けることの大切さを唱えていたと思います.決まりを破って道を外したり誰かのせいにする方が楽だとは思いますが,それはそのままこの大切な場所を無くすことに繋がります.

剛さんはこれからもこの大切な場所を守るために,ファンに向けて今一度道を外すことなく,でも1人で抱え込むのではなくてみんなで一緒に乗り越えようね,と励ましていたのだと思います.

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来年は世の中が落ち着きましたよ,という報告と感謝を,そしてまた別の意味を込めて奉納演奏できる世の中になっていて欲しいなあと思います.そして来年もその儀式の目撃者となりたいな.

 

 

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